阿部寛さんが古代ローマの浴場設計技師を演じる映画「テルマエ・ロマエ」は、2012年の公開から10年以上経った今でも多くのファンに愛され続けています。タイムスリップという奇想天外な設定と、日本の銭湯文化への深い愛情が融合したこの作品は、単なるコメディ映画を超えて、日本映画史に独特な足跡を残しました。
2025年10月15日からAmazon Prime Videoで「テルマエ・ロマエ」と「テルマエ・ロマエⅡ」の配信が開始されることが決定し、再び注目を集めています。個人的な経験では、この映画を初めて観た時、古代ローマと現代日本をつなぐ斬新な発想に驚かされ、何度も観返したくなる魅力を感じました。
この記事で学べること
- テルマエ・ロマエ映画2作品の配信スケジュールと視聴方法
- 阿部寛が演じるルシウスの魅力と役作りの裏話
- 茨城県水戸市で撮影された古代ローマシーンの秘密
- 原作漫画から映画化への成功要因と興行収入データ
- ブルガリアで行われた日本映画初の海外ロケの意義
テルマエ・ロマエ映画シリーズの基本情報と魅力
ヤマザキマリさんの原作漫画を実写化した「テルマエ・ロマエ」は、2012年4月28日に第1作が公開されました。
古代ローマの浴場設計技師ルシウス・モデストゥスが、現代日本の銭湯にタイムスリップするという奇抜な設定。この一見突拍子もないアイデアが、観客の心を掴んだ理由は、日本人なら誰もが親しみを感じる銭湯文化と、古代ローマの浴場文化を巧みに融合させた点にあります。
阿部寛さんの彫りの深い顔立ちが、古代ローマ人役にぴったりはまり、「平たい顔族」という独特の表現も話題になりました。
続編となる「テルマエ・ロマエⅡ」は2014年4月26日に公開。前作から2年という短期間での製作にもかかわらず、クオリティを維持しながら、さらにスケールアップした作品に仕上がっています。特筆すべきは、日本映画として初めてブルガリアでの海外ロケを敢行した点です。これにより、より本格的な古代ローマの世界観を表現することに成功しました。
キャストとその演技の魅力

主演の阿部寛さんは、ルシウス役を演じるにあたり、相当な役作りをされたそうです。
上戸彩さんが演じるヒロインの山越真実は、原作にはないオリジナルキャラクター。映画オリジナルの要素を加えることで、より日本の観客に親しみやすい作品になっています。北村一輝さん、市村正親さんといった実力派俳優陣も脇を固め、コメディとしての完成度を高めています。
ロケ地の魅力と撮影秘話

茨城県水戸市の七ツ洞公園は、古代ローマのシーンを撮影した重要なロケ地です。
この公園の特徴的な建築物が、まるで本物の古代ローマのような雰囲気を醸し出しています。撮影当時、地元の方々の協力もあり、スムーズな撮影が実現したといいます。現在でも多くのファンが「聖地巡礼」として訪れる人気スポットとなっています。
第2作では、より本格的な古代ローマを表現するため、ブルガリアでの撮影を実施。
これは日本映画史上初の試みでした。
現地の歴史的建造物を活用することで、CGに頼らない迫力ある映像を実現。製作費の増大というリスクを取りながらも、作品のクオリティ向上を優先した製作陣の判断が功を奏しました。
配信・放送情報と視聴方法

2025年10月15日から、Amazon Prime Videoで両作品の配信が開始されます。
これまでもフジテレビやNHK BS プレミアムなどで放送されてきましたが、配信サービスでいつでも視聴できるようになることで、新たなファン層の獲得が期待されています。個人的には、配信サービスなら何度でも観返せるので、細かい演出や背景の小ネタを発見する楽しみもあります。
DVDやBlu-rayも発売されており、特典映像には撮影の舞台裏やキャストインタビューが収録されています。
特典映像では、阿部寛さんが実際にローマを訪れた際のドキュメンタリーも含まれており、ファン必見の内容となっています。
原作漫画との違いと映画化の成功要因
ヤマザキマリさんの原作漫画は、マンガ大賞と手塚治虫文化賞を受賞した名作です。
映画化にあたっては、原作の持つユーモアと文化的な深みを損なわないよう、細心の注意が払われました。映画オリジナルの要素として、上戸彩さん演じる山越真実というキャラクターを加えることで、ラブストーリーの要素も取り入れ、より幅広い観客層にアピールすることに成功しています。
原作ファンからも概ね好評を得た理由の一つは、原作者のヤマザキマリさんが映画製作に積極的に関わったことです。
原作の精神を尊重しながら、映画という媒体に最適化された脚本が、両作品の成功につながりました。
文化的影響と作品の意義
「テルマエ・ロマエ」は単なるエンターテインメント作品を超えて、日本の銭湯文化を再評価するきっかけとなりました。
若い世代にとって、銭湯は身近な存在ではなくなりつつありましたが、この映画を通じて、その文化的価値が見直されるようになりました。実際に映画公開後、各地の銭湯で入浴客が増加したという報告もあります。
また、古代ローマと現代日本という、時代も地域も異なる二つの文化を比較することで、人類に共通する「お風呂を愛する心」という普遍的なテーマを浮かび上がらせました。
国際的な評価も高く、海外の映画祭でも上映されています。
日本独特の入浴文化を、ユーモアを交えて世界に発信した点で、文化外交的な役割も果たしているといえるでしょう。
よくある質問
Q1: テルマエ・ロマエの続編は3作目も予定されていますか?
現時点では第3作の正式な発表はありません。しかし、2作品とも高い興行収入を記録し、ファンからの要望も多いことから、将来的な可能性は残されています。原作漫画のストックもまだあるため、条件が整えば実現する可能性はあるでしょう。
Q2: 映画と原作漫画、どちらから楽しむのがおすすめですか?
どちらから始めても楽しめますが、個人的には映画から観ることをおすすめします。映画は原作のエッセンスを凝縮し、エンターテインメント性を高めた作品になっているため、入門編として最適です。その後、原作を読むことで、より深い世界観を楽しむことができます。
Q3: ロケ地巡りをする際のおすすめスポットはどこですか?
茨城県水戸市の七ツ洞公園は必見です。古代ローマの雰囲気を感じられる建築物があり、映画のシーンを思い出しながら散策できます。また、実際の銭湯も多数登場するので、東京都内の老舗銭湯巡りも楽しいでしょう。撮影に使われた銭湯の中には、今も営業を続けているところがあります。
Q4: 阿部寛さん以外のキャストで注目すべき俳優は誰ですか?
北村一輝さんの演じるケイオニウスは、原作ファンからも高い評価を得ています。また、市村正親さんのハドリアヌス帝も威厳と親しみやすさを兼ね備えた名演です。第2作では、竹内力さんや宍戸開さんなど、個性的な俳優陣も加わり、作品に深みを与えています。
Q5: 映画の中で実際に使える入浴の知識はありますか?
映画では、温冷交互浴や炭酸泉の効能など、実際に健康に良いとされる入浴法が紹介されています。特に疲労回復に効果的な入浴法は、現代の私たちにも参考になります。ただし、コメディ要素も含まれているため、すべてを鵜呑みにせず、楽しみながら参考にする程度がよいでしょう。
テルマエ・ロマエ映画シリーズは、日本映画史に残る独創的な作品として、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。2025年10月の配信開始を機に、改めてその魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。古代ローマと現代日本をつなぐ不思議な物語は、きっとあなたに新しい発見と笑いをもたらしてくれるはずです。