テルマエロマエといえば、阿部寛さん演じる古代ローマ人ルシウスのコメディ映画として知られていますが、実は上戸彩さんが演じたヒロイン・山越真実(まみ)の存在が物語の重要な鍵を握っていました。個人的にこの映画を観て最も印象に残ったのは、上戸彩さんの自然体な演技と、彼女の実家という設定で使われた秘湯の数々でした。
映画公開から10年以上経った今でも、ロケ地となった温泉旅館には多くのファンが訪れています。実際に現地を訪問してみると、映画のシーンがそのまま蘇るような風景に出会えます。特に北温泉旅館の「天狗の湯」は、巨大な天狗の面が印象的で、まさに映画の世界観そのものでした。
この記事で学べること
- 上戸彩が演じた山越真実の役柄と2作品での変化
- 実際に宿泊可能な全6箇所のロケ地温泉の詳細情報
- 北温泉旅館の天狗の湯は日帰り入浴700円で体験可能
- 第2作で使われた宝川温泉は混浴露天風呂が4つもある
- 映画ファンが巡る最適なロケ地訪問ルートと時期
上戸彩が演じた山越真実という重要キャラクター
テルマエロマエにおける上戸彩さんの役割は、単なるヒロインではありませんでした。山越真実は、古代ローマと現代日本を繋ぐ重要な架け橋として機能していたのです。
彼女の実家が温泉旅館という設定は、物語の展開に必然性を与えていました。ルシウスが現代日本の温泉技術を学び、それを古代ローマに持ち帰るという基本構造において、真実の存在は欠かせません。第1作では北温泉旅館、第2作では法師温泉長寿館と宝川温泉汪泉閣が、彼女の実家として登場しました。
上戸彩さんは、この役柄について「平たい顔族の代表として、堂々と演じました」とコメントしています。
実際、映画を観返してみると、彼女の自然体な演技が、タイムスリップという非現実的な設定に説得力を与えていることがわかります。特に温泉での入浴シーンでは、日本人として当たり前に温泉文化を楽しむ姿が、ルシウスの驚きと対比されて効果的でした。
第1作で使われた秘湯・北温泉旅館の魅力

栃木県那須温泉郷にある北温泉旅館は、江戸時代から続く歴史ある秘湯です。
映画で最も印象的だった「天狗の湯」は、実際に入浴可能で、巨大な天狗の面が今も湯船を見守っています。この温泉は、標高1,200メートルの山中にあり、アクセスは決して良いとは言えません。しかし、その不便さこそが秘湯の魅力を保っているのです。
北温泉旅館には、天狗の湯以外にも「河原の湯」「相の湯」「芽の湯」など、複数の浴場があります。それぞれ泉質が異なり、湯めぐりを楽しむことができます。日帰り入浴は700円で、8時30分から16時30分まで利用可能です。
個人的に訪れた際、最も感動したのは温泉の温度管理でした。
源泉かけ流しで、加水も加温もしていない本物の温泉です。湯温は季節によって変化し、自然のリズムを感じることができます。冬場は雪見風呂も楽しめ、映画のワンシーンのような幻想的な光景が広がります。
第2作のロケ地となった群馬の名湯たち

テルマエロマエIIでは、より壮大なスケールの温泉が選ばれました。
法師温泉長寿館は、群馬県みなかみ町にある秘湯中の秘湯です。明治時代に建てられた木造建築は、国の登録有形文化財に指定されています。映画では建物の外観と、「法師乃湯」と呼ばれる内湯が使用されました。この内湯は、足元から温泉が湧き出る珍しい構造で、底に敷かれた玉石の間から温泉が湧いてきます。
宝川温泉汪泉閣も群馬県みなかみ町にあり、日本最大級の露天風呂で知られています。
「摩訶の湯」は200畳もの広さがあり、映画でもその壮大さが印象的でした。混浴露天風呂が4つもあり、女性専用露天風呂も2つ用意されています。川沿いに点在する露天風呂は、四季折々の自然を楽しみながら入浴できます。
実際に訪れてみると、映画のスケール感がそのまま体験できることに驚きます。特に紅葉の時期は絶景で、10月中旬から11月上旬がベストシーズンです。雪見風呂も人気ですが、アクセスが困難になるため、事前の確認が必要です。
映画ファンのためのロケ地巡り完全ガイド

テルマエロマエのロケ地を効率的に巡るなら、計画的なルート設定が重要です。
まず東京の稲荷湯からスタートすることをおすすめします。JR王子駅から徒歩10分の場所にあり、映画の第1作で最初にルシウスがタイムスリップした銭湯です。現在も営業中で、入浴料は500円です。レトロな雰囲気がそのまま残っており、映画ファンには必見のスポットです。
次に栃木県の北温泉旅館へ。
東京から車で約3時間、那須塩原駅からはタクシーで約40分です。山道を進むため、レンタカーの利用がおすすめです。日帰り入浴も可能ですが、宿泊すれば夜の静寂な温泉も楽しめます。
群馬県の法師温泉と宝川温泉は、同じみなかみ町にあるため、セットで訪問可能です。上越新幹線の上毛高原駅からバスで約1時間。両温泉とも日帰り入浴可能で、法師温泉は1,500円、宝川温泉は2,000円です。
上戸彩ファンが楽しめる聖地巡礼のポイント
単なる温泉巡りではなく、映画の世界観を楽しむためのポイントをご紹介します。
各温泉では、実際に撮影されたアングルを探してみることで、映画の追体験ができます。北温泉旅館の天狗の湯では、上戸彩さんが座っていた場所がファンの間で「聖地」となっています。湯船の右奥、天狗の面を正面に見る位置です。
法師温泉では、玄関での出迎えシーンが印象的でした。
実際に訪れると、映画と同じアングルで記念撮影ができます。宿の方も映画ファンに慣れており、撮影ポイントを教えてくれることもあります。
宝川温泉の摩訶の湯では、上戸彩さんとルシウスが会話したシーンの場所が人気です。川に面した岩場のあたりで、紅葉の時期には特に美しい写真が撮れます。混浴エリアですが、湯浴み着の着用が可能なので、女性も安心して入浴できます。
映画を超えた温泉文化の魅力
テルマエロマエのロケ地巡りを通じて感じるのは、日本の温泉文化の奥深さです。
映画では古代ローマの浴場文化と日本の温泉文化を対比させていましたが、実際に訪れてみると、それぞれの温泉が持つ独自の歴史と文化に触れることができます。北温泉旅館の素朴さ、法師温泉の格式、宝川温泉の開放感。それぞれが異なる魅力を持っています。
上戸彩さんが演じた山越真実は、この温泉文化を当たり前のものとして受け入れている現代日本人の象徴でした。
しかし、実際にロケ地を巡ってみると、私たち日本人でも知らない温泉文化の深さに気づかされます。源泉かけ流しの贅沢さ、湯治文化の歴史、地域ごとの入浴作法の違い。映画をきっかけに、改めて日本の温泉文化を見直す機会になりました。
テルマエロマエは単なるコメディ映画ではなく、日本の温泉文化を世界に発信した作品として、その価値を再認識させてくれます。
よくある質問
上戸彩はテルマエロマエで何役を演じましたか?
上戸彩さんは、山越真実(やまこし まみ)という現代日本人女性を演じました。温泉旅館の娘という設定で、古代ローマ人ルシウスと現代日本を繋ぐ重要な役割を担っていました。第1作と第2作の両方に出演し、物語の鍵となるヒロインとして活躍しました。
北温泉旅館は実際に宿泊できますか?
はい、宿泊可能です。1泊2食付きで約10,000円〜15,000円程度です。ただし、山奥の秘湯のため設備は簡素で、携帯電話の電波も届きにくい場所にあります。日帰り入浴も可能で、料金は700円、営業時間は8時30分から16時30分までです。冬季は道路状況により休業する場合があるので、事前確認が必要です。
テルマエロマエ2で使われた温泉はどこですか?
第2作では主に群馬県の2つの温泉が使用されました。法師温泉長寿館では建物外観と内湯「法師乃湯」が、宝川温泉汪泉閣では巨大な露天風呂「摩訶の湯」と「子宝の湯」が撮影に使用されました。また、神奈川県の箱根小涌園ユネッサンでも一部撮影が行われています。
ロケ地巡りのベストシーズンはいつですか?
春(4〜5月)と秋(10〜11月)がおすすめです。特に10月中旬から11月上旬は紅葉が美しく、露天風呂からの景色が絶景です。冬の雪見風呂も魅力的ですが、北温泉旅館へのアクセスが困難になる可能性があります。夏は比較的空いていて、ゆっくり温泉を楽しめます。
映画のロケ地すべてを巡るには何日必要ですか?
効率的に巡るなら最低3日は必要です。1日目は東京の稲荷湯、2日目は栃木の北温泉旅館、3日目は群馬の法師温泉と宝川温泉というルートがおすすめです。各温泉でゆっくり過ごしたい場合は、4〜5日程度の余裕を持った計画を立てることをおすすめします。レンタカー利用が最も効率的です。
テルマエロマエと上戸彩さんの組み合わせは、日本の温泉文化を再発見する素晴らしいきっかけを与えてくれました。映画の世界観を追体験しながら、実際の温泉文化の奥深さに触れる旅は、きっと忘れられない思い出になるはずです。ロケ地となった温泉は今も変わらず営業を続けており、映画ファンを温かく迎えてくれます。ぜひ一度、聖地巡礼の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。